●金の産出国
現在、どの国から金の供給が多いのかというと、もっとも産出量が多い国はやはり南アフリカ。
とにかくこの南アフリカは地下資源が豊富で、金はもちろん、ダイヤモンドやその他の地下資源の多いことで有名です。
そして金の鉱石にはその何百倍という銀や銅が含まれているのが普通なので、こうした金属も高い産出量を誇っています。
1970年頃、南アフリカは実に産出量1000トン、シェア7割を占めていましたが、その産出量は年々減り、現在ではピーク時の4分の1とも言われています。
そして、1905年以来100年以上も世界トップの南アフリカですが、今その王座を中国がうばおうとしています。
イギリスの調査会社GFMSによると、2006年、世界の金の鉱山産出量は2471.1トン。この10年来、最低の水準で、最大産出量の南アフリカが291.8トン。しかし、南アフリカの資源は枯れかかっているため産出量が急落。
中国は06年には産出量247.2トンで世界第3位。長い間、金の3大産出量だった南アフリカ、アメリカ、オーストラリアが産出量を減らす中、この10年で70%も伸ばしている中国は、ついに2008年、産出量で南アフリカを抜いて世界第1位に躍り出る見通しだそうです。
※追記
2008年の金の産出量は、アメリカ内務省の発表によると、
中国・・・約285トン、南アフリカ・・・約213トン。この年、中国がはじめて産出量世界トップになり、翌年2009年には324トン、2010年は350トンと、年々産出量が増えています。
●〜黄金の国、ジパング〜 日本の産金
13世紀末、マルコ・ポーロの『東方見聞録』により「黄金の国ジパング」が西洋に紹介されて以来、日本は金に富める国として世界中の熱い視線を浴びて来ました。
その東方見聞録では「宮殿の屋根はすべて黄金でふかれており、宮殿内の道路や部屋の床には、厚さ4センチの純金板がしきつめられ、窓さえ黄金でできている。」との記載は、中尊寺金色堂についての話を聞いたものといわれています。
日本最大の金鉱であった有名な佐渡の金山は、1601年に鶴子銀山の山師3人が金脈を発見し、徳川家康より命じられた大久保長安がここを治めて以来、約300年ものあいだ金が採掘されました。
最盛期は年間に約400kgの金が採掘されましたが、1898年枯渇により採掘を中止しました。
現在、日本ではほとんどの金が鹿児島県にある菱刈鉱山で採掘されています。
ここの金鉱石は1tから約40gの金が取れる(世界平均の8倍程)高品位のもので、2006年までで153トンもの金を掘り出しています。埋蔵量は300トン前後ということなので、まだ半分しか掘っておらず、同じペースでいくとあと20年は鉱山寿命が続くそうです。
それでも現在の日本の金産出量は世界のわずか0.3%前後です。これは佐渡の金山を始め、主要な金山をあらかた掘りつくしてしまい、ほぼ菱刈鉱山での採掘だけになってしまったためです。
日本が今まで産出してきた金の量ですが、世界の総産出量の約1%に当たる約1600トンと推定されています。黄金の国、というにはやや物足りない数字かもしれません。
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